こだいらぽんたの読書日記

古典多めの読書日記です。名作映画100選もあります。

ノンフィクション

ダーウィン著『種の起源』(上・下)(渡辺政隆訳/光文社古典新訳文庫)

ダーウィン著『種の起源』(上・下)(渡辺政隆訳/光文社古典新訳文庫) 「人間の祖先は猿だった。猿が進化して人間になったのだ」という説をぶち上げて、世界中の人たちから非難された人。それがダーウィンのイメージだった。 ところが『種の起源』には、…

ショーペンハウアー著『読書について』(鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫)

ショーペンハウアー著『読書について』(鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫) この本にはガツンとくる、あまりにも有名な部分がある。 読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ。(P138-13…

井筒俊彦『イスラーム文化ーその根底にあるものー』(岩波文庫)

井筒俊彦「イスラーム文化ーその根底にあるものー」(岩波文庫) 井筒先生の解説は本当にわかりやすい。イスラームについて知りたかったら、この本は超おすすめだ。イスラーム教はキリスト教徒よく似ているといわれる。しかしこの本を読んで強く感じたのは、…

書物と真剣に格闘するということ。/アウグスティヌス著『告白Ⅲ』(山田晶訳/中公文庫)

アウグスティヌス著『告白Ⅲ』(山田晶訳/中公文庫) 最終巻「告白Ⅲ」は哲学的な要素が入ってきて、突然難しくなる。私の読解力(および基礎知識)では理解できないところも多い。それでも懸命に読んでみた。 それにしても、1600年前によくも「時間とは…

この世に悪は実在しない。あるのは「善の欠如」である。/アウグスティヌス著『告白Ⅱ』(山田晶訳/中公文庫)

アウグスティヌス著『告白Ⅱ』(山田晶訳/中公文庫) アウグスティヌスは北アフリカのタガステに生まれた。カルタゴに遊学し、マニ教に入信。その後、修辞学をカルタゴやローマで教え、そして修辞学教授としてミラノへと渡った。ミラノで出会った司教アンブ…

「最大の教父」は「最大のとんでもない悪童」だった/アウグスティヌス著『告白Ⅰ』(山田晶訳/中公文庫)

アウグスティヌス著『告白Ⅰ』(山田晶訳/中公文庫) アウグスティヌスは、古代ローマカトリック教会の教義を確立するために力をつくした「最大の教父」といわれる。全3巻。かなり読み応えがあった。読書日記は1冊ずつアップする。山田晶氏のあとがきは何度…

藤岡換太郎著『フォッサマグナー日本列島を分断する巨大地溝の正体ー』(ブルーバックス)/地質学は壮大なミステリーだ!

藤岡換太郎著『フォッサマグナー日本列島を分断する巨大地溝の正体ー』(ブルーバックス) 「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の、火山が南北に並んで本州を横断している「巨大な地溝」のことだ。西側の境界線は新潟県糸魚川から静岡県までの「糸魚川ー静…

姫野桂著『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)/本当に困っているなら当事者同士で分かち合おう。

姫野桂著『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書) 「発達障害グレーゾーン」とは、専門医から発達障害だと正式に診断されたわけではないが、定型発達(健常者)とも言い切れない層のことをいう。障害者手帳をもらったり薬を服用したりするほど重い症状が出て…

ハンス・ロスリング著『ファクトフルネス』/世界を認識するための豊富な具体例が面白い。

ハンス・ロスリング著『ファクトフルネスー10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣ー』(日経BP社) 『ファクトフルネス』は「世界が分断され大半の人が惨めで困窮した生活を送っている」という思い込みを捨て、事実に基づいて世界を認識…

内藤正典著『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(集英社)/「外国人労働者・移民・難民に対する漠然とした不安を抱く前に、この本を読もう」

内藤正典著『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(集英社) ぽんたの独断レビュー 実にタイムリーな本が出た。 2018年日本政府が50万人もの外国人労働者を受け入れる方針(あとで約35万人に下方修正)を発表したときに、「うわっ、大丈夫かな」と思…

佐藤優著『人をつくる読書術』(青春新書インテリジェンス)

佐藤優著『人をつくる読書術』(青春新書インテリジェンス) 世の中には「本を読む人」と「本を読まない人」がいる。そして「本を読む人」にしか得られないものがある。本書は何をどのように読むか、さらになぜ読まなければならないか体系的にわかりやすく書…

昭和史への興味をかき立ててくれた一冊。/山内昌之・佐藤優著『大日本史』(文春新書)

山内昌之氏による「まえがき」で初めて知ったことがふたつある。一つ目は、今の高校では世界史が必修科目で日本史が選択科目だということ。二つ目は、2022年度から高校に新必修科目として「歴史総合」という、世界史と日本史を融合させた科目が登場するとい…

野島博之著『三行で完全にわかる日本史』(集英社)

野島博之著『三行で完全にわかる日本史』(集英社) 「これさえ読めば日本史のアウトラインはわかる。暗記前にこの一冊を仕上げておけば・・・」という初学者用の本は多い。ところが「あれもこれも」と盛り込みすぎるのか、肝心のアウトラインがぼやけている…

李淳馹(リ・スンイル)著『青き闘球部ー東京朝鮮高校ラグビー部の目指すノーサイド』(ポット出版)

李淳馹(リ・スンイル)著『青き闘球部ー東京朝鮮高校ラグビー部の目指すノーサイド』(ポット出版) ざっくりとした内容 *1975年、東京朝鮮高校ラグビー部創設。顧問の先生も含めてラグビー経験者皆無のド素人集団だ。ところがある日、「君たちの練習見て…

「オフサイドの位置」にいることは「良くない行為」である!? 中村敏雄著『オフサイドはなぜ反則か』

中村敏雄著『オフサイドはなぜ反則か』(平凡社ライブラリー) ざっくりとした内容 *オフサイドがなかったら、すぐにゲームが終わっちゃう!短いゲームなんて言語道断、ゲームは長ければ長いほどいいんだよ。なぜって、フットボールは人々と感情を共有する…

大切なのは、他者に共感する気持ち。さかなクン著『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』

さかなクン著『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』(講談社) 本書は、テレビで大活躍中のさかなクンの自叙伝だ。東京海洋大学客員准教授でもある彼が、絶滅が信じられていたクニマスの生存を確認したことは記憶に新しい。さかなクンのお魚イラ…

動物の不思議な行動にはそれなりの理由がある。『ソロモンの指環ー動物行動学入門ー』

コンラート・ローレンツ著/日高敏隆訳『ソロモンの指環ー動物行動学入門ー』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) この本を読むと、人間には理解しがたい行動でも、動物には動物の理屈があることがわかる。 たとえばイヌだ。イヌにはジャッカルを祖先として…