こだいらぽんたの読書日記

古典多めの読書日記です。名作映画100選もあります。

歴史

「竜馬の運命を変えた男・勝海舟との出会い」司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(3)(文春文庫)

福沢諭吉著『福翁自伝』に出てくる勝海舟はあまりカッコ良くない。福沢諭吉は勝海舟と咸臨丸でアメリカ渡航を共にした。咸臨丸の艦長は木村摂津守だが、実質的艦長は勝海舟だった。が、船にめっぽう弱い勝はこんな書かれ方をしている。 「勝麟太郎という人は…

「テロじゃ世の中変わらない。だったらどうすべきなのか?」司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(2)(文春文庫)

尊王攘夷派(外国は出て行け派)vs佐幕派(とりあえず開国派)の対立が徐々に鮮明になっていく。竜馬は尊王攘夷を唱える過激派にシンパシーが持てない。幕府は倒したい。しかし、佐幕派を殺害するテロの手法で世の中は本当に変わるのだろうか。 竜馬にはまだ…

明治維新を知りたければまずこの本を読め!/司馬遼太郎著『竜馬がゆく』(1)(文春文庫)

司馬遼太郎の代表作『竜馬がゆく』を再々読している。今回は読書日記を書くつもりで舐めるように読んでいるせいか、新たな発見がいくつもあった。以前は、竜馬が繊細で複雑な性格の持ち主として描かれていることに気が付かなかった。キャラクターに魅力があ…

「明智光秀『再発見』の物語」司馬遼太郎著『国盗り物語』(4)織田信長<後編>(新潮文庫)

『国盗り物語』が「サンデー毎日」に連載されたのは、1963年から1966年のことだ。当時、裏切者として悪名高い明智光秀を、歴史や伝統に関する教養が深く、軍事面や民政面でも優れていた武将として「再発見」したことは、相当新しいことだったのではないだろ…

「新秩序を追い求めた織田信長vs旧秩序の復活を志向した明智光秀」司馬遼太郎著『国盗り物語』(3)織田信長<前編>(新潮文庫)

物語後半の主人公は、斎藤道三から、織田信長と明智光秀に移っていく。織田信長は道山の娘・濃姫の婿であり、明智光秀は道三の正妻・小見の方の甥にあたる。道三はこのふたりの才能を高く評価した。「わしは一生のうちずいぶんと男というものを見てきたが、…

「全訳を読めば、清少納言の魅力がわかる!」石田穣二訳注『新版 枕草子』(上・下)

石田穣二訳注『新版 枕草子』(上・下)角川ソフィア文庫 若いお母さんたちには腹が立つ。あちこち散らかす子どもをほったらかして、おしゃべりに夢中になっている。たいした注意もせず、「そんなことしちゃだめだよ~」とか笑顔で言っているだけ。どうかし…

「時代は旧制度をぶち壊す人物を必要とした」司馬遼太郎著『国盗り物語』(2)斎藤道三<後編>(新潮文庫)

天下取りの野望を抱き、その足掛かりとして美濃を「盗った」斎藤道山編の後編をお送りする。 司馬遼太郎著『国盗り物語』(2)斎藤道三<後編>(新潮文庫) ざっくりした内容 クーデターにより土岐政頼を追放し、自分の思いのままに動かせる土岐頼芸を美濃…

「わしは、国を盗りにゆく」司馬遼太郎著『国盗り物語』(1)斎藤道三<前編>(新潮文庫)

司馬遼太郎でおすすめは?と聞かれたら、やはり『国盗り物語』(全4巻)をおすすめする。1~2巻は斎藤道三編、3~4巻は織田信長編。何度読んでも圧倒的な面白さだ。 司馬遼太郎著『国盗り物語』(1)斎藤道三<前編>(新潮文庫) ざっくりした内容 1517年。…

昭和史への興味をかき立ててくれた一冊。/山内昌之・佐藤優著『大日本史』(文春新書)

山内昌之氏による「まえがき」で初めて知ったことがふたつある。一つ目は、今の高校では世界史が必修科目で日本史が選択科目だということ。二つ目は、2022年度から高校に新必修科目として「歴史総合」という、世界史と日本史を融合させた科目が登場するとい…

野島博之著『三行で完全にわかる日本史』(集英社)

野島博之著『三行で完全にわかる日本史』(集英社) 「これさえ読めば日本史のアウトラインはわかる。暗記前にこの一冊を仕上げておけば・・・」という初学者用の本は多い。ところが「あれもこれも」と盛り込みすぎるのか、肝心のアウトラインがぼやけている…

時勢に驕った官軍どもに、いじめぬかれた虫けらの性根と力を知らしめよ。 司馬遼太郎著『峠』(下)

司馬遼太郎著『峠』<下>(新潮文庫) 河井継之助の「長岡藩独立国構想」。それは、勤皇派にも佐幕派にも属せず「長岡国」として独立するという構想だった。徳川慶喜が大政奉還をして新政府に恭順の意を示している今、官軍の最大の目標は会津藩となっている…

幕府側にも討幕派にもつかない。河井継之助の「長岡藩独立国構想」の準備がここに始まる。司馬遼太郎著 『峠』(中)

司馬遼太郎著『峠』<中>(新潮文庫) 諸国遊歴の旅から帰った河井継之助は、自分の殿様(牧野忠恭)の京都所司代職を辞めさせたことで大いに手腕を認められた。継之助はそこから異数の出世をする。外様奉行から郡奉行となり、後に町奉行を兼任。長岡藩の行…

人は立場によって生き、立場によって死ぬ。司馬遼太郎著 『峠』(上)

司馬遼太郎著『峠』<上>(新潮文庫) 幕末維新の時代に生きた越後長岡藩家老・河井継之助の名を、本書で知ったという人は少なくないはずだ。河井継之助は、幕府がほろびることを誰よりも早く予見していた。 そこで、彼は必死に長岡藩生き残りの方策を模索…