こだいらぽんたの読書日記

古典多めの読書日記です。名作映画100選もあります。

見ておいて損はない名作映画100選の1作目。映画:カリフォルニア・ドールズ

 

私は、映画というものをほとんど見ていない。だから世の中にどんな素晴らしい映画があるのか知らないのだが、全く知らずにいるのももったいないような気がしてきた。そこで、必ず見ておくべき名作映画100選、というものを映画をライフワークとしている夫にピックアップしてもらうことにした。(なにしろ年間200本以上、しかもすべて映画館で観ているのだから実によく知っている。)その際、映画史上において重要な作品だとか、ナントカ賞を取ったとか、世間的に評価が高いとかいうのはどうでもいい。「これだけは見ておいて損はない!」という、個人的こだわりのある自信作をリクエストした。100って微妙に難しい数字だけど、よろしくお願いします。

 

というわけで、その1作目。なんと女子プロレスラーの物語だ。

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カリフォルニア・ドールズ
(1981/アメリカ)
THE CALIFORNIA DOLLS/...ALL THE MARBLES
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ピーター・フォークヴィッキー・フレデリックローレン・ランドン

ざっくりとした内容

*アイリスとモリー女子プロレスラーだ。「カリフォルニア・ドールズ」の名前でタッグを組んでいる。実力はあるのだが今一つブレイクしきれない。老マネージャーのハリーは必死にふたりを売り込むのだが、カネになる仕事を取ってくるのに苦労する日々だ。それでもめげず、3人はオンボロキャデラックに乗って、町から町へと地方巡業の旅に出かけるのだった。

*カネもない!ツキもない!泊まるのは安モーテル、食事はジャンクフード、悪徳プロモーターにファイトマネーをピンハネされ、泥んこレスリングみたいなひどい仕事も掴まされる。「もういや、こんな生活!」とケンカも度々だ。しかし、3人はチームだ。少しくらいもめても、結局もとのさやに納まる。その関係性が絶妙だ。

*しかし最後、ツキがまわってきたぞ!リノ市のカジノタウンで行われる100万ドルのファイトマネーを賭けた戦いが繰り広げられる!相手は全米ナンバーワンのタッグチーム「トレドの虎」。おまけに悪徳プロモーターはレフリーを買収し、ドールズに不利な判定を下すよう画策する。どうなる、カリフォルニア・ドールズ!?

 

かんたんレビュー

 ふたりの美女プロレスラー(アイリスとモリー)のタッグチーム「カリフォルニア・ドールズ」と、ピーター・フォーク扮するマネージャー(ハリー)がファイトマネーを求めて、その日暮らしを続けながら地方巡業を続けている。泊まるのは安モーテル、食事はジャンクフード。移動は今にも壊れそうなオンボロ車。「もういや、こんな生活!」と内輪もめにもなるのだが、すぐに仲直りして後には引きずらない。この3人の関係が絶妙なのだ。

ハリーは、アイリスとモリーに「インパクトがあるから、髪や眉毛を白く染めろ」とセンスのないことを言って総スカンを食らう。タバコがないと、自分で買わずに「タバコ一本くれよ」とアイリスにおねだりするセコいところもある。しかし、ハリーが彼女たちを思う気持ちは本物だ。彼女たちを利用して自分ひとりだけが美味しい思いをしようといったところは微塵もない。ファイトマネーをピンハネしようとする悪徳プロモーターに本気で怒り、本気で戦う。ついには、バットを振り回してプロモーターのメルセデスを破壊してしまう。「たった20ドルだって、彼女たちには大金なんだ!」

3人はチームであり家族でもある。決してベタベタしていない。しかし、さりげない彼らの絆の深さにグッとくる。

それを心底感じさせてくれるのが最後のクライマックスだ。100万ドルのファイトマネーを賭けた「...ALL THE MARBLES(伸るか反るか)」の一発勝負にのぞむカリフォルニア・ドールズ。彼女たちの大舞台のために、ハリーはイカサマでしこたま儲けた金をつぎ込む。

彼女たちにきらびやかな衣装を作り、ポスターを会場のそこかしこに張り、観客にはドールズのTシャツを配り、少年たちにカネを払ってドールズに声援を送らせ、オルガニストには雰囲気を盛り上げる演奏をさせる。ハリーの演出は見事にハマり、会場はドールズ応援の一体感に包まれる。この日のために、ハリーは有り金すべてをはたいただろう。派手な衣装に身を包まれたアイリスとモリーが、筋肉ムキムキの屈強な男たちに肩車されながら、女王様のように誇らしげにリングに入場するシーンは思わず涙なしには見ることができない。この映画一番の、素晴らしいシーンだ。


あと、もうひとつ。「こだいらぽんたの『基礎学力』勉強日記」にも書いたが、つくづく「基礎体力」って大事だなと思った。女子プロレスというショービジネスで一攫千金を狙うなんて、リスクだらけの不健全な世界だ。この不健全さを引き受け、闇の中に呑み込まれないためには、闇の力に抗うだけの「基礎体力」が必要だ。
カリフォルニア・ドールズ」のふたりは、ケガに強い。リングに叩きつけられても、反則技でのどを締め付けられても、すぐに回復してしまう。鉄アレイを持ってジョギングをし、オンボロ車がエンストすれば後ろから力強く押す。アイリスもモリーも本当にかっこいい。頑強な肉体に支えられた魂は、簡単にショービジネスの闇には呑まれたりはしない。

彼らにはカラッとした明るさがある。うまくいかなくて泣いているときもあるが、翌日には気持ちを切り替えている。その明るさは頑強な肉体が支えているに違いない。

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